Kさんは単独でアメリカ縦断したり、55日間かけてお遍路に挑戦したり
アクティブにいきるかたである。
その彼が最近めきめき頭角をあらわし自由に描けて来ています。
捨て絵の具をほどこした10号キャンバスにはいい感じの色が配置され
ていた。
”Kさんいいかんじだねえ、これ。”・・・・・・とわたし。
”そう!?”・・・・・・・・・・・・・・・・・と彼は不思議そう。
そしてすこし手を入れたキャンバスを見た私。
”ねえ、もうできてるんじゃない。これ公園だよね。”
”・・・・・・・・・・・・”と彼。
”ほら、これでいいんですよ。公園が表れているでしょう。6月のリュク
サンブール公園。もうこれ良いからとっておきましょうね。”・・・とわたし。
まだ感じていないKさんは困っていたが仕方なしにキャンバスを置く。
しばらくして後。
”あのキャンバスどこいった?”・・・・・・と捜す私。
”これです”と示したキャンバスにはもうあの素敵な公園の風景はすっかり
なくなって、まったく別のものになってイーゼルに乗っていたのでした。
”あ~~~一世一代の傑作が~~~消えてしまった~~~。
(消えてしまった名画 F10)