草月流家元勅使河原茜の個展を見に日本橋の高島屋に行った。いつも草月を見るたびにその作品の大きさに驚く。お華の範疇を越して自然界の再現(再構築)だ。お華も絵も、いい作品には必ず宇宙を感ずる。自然の大きさと複雑さ、混沌とした一体化、その調和の完璧さにいつも驚く。山に行った時小さな木の実をひろった。赤い表皮を剥くと乳白色な果肉があらわれた。さたに剥くとその芯には小さい蒼い芽があった。そのときの赤い色とクリームがかった白と青い芽の色のその調和の取れた美しさに驚いたことを忘れることが出来ない。ぼくのタブローにそれが現れればいいのだが・・・・いつもなんとぎこちない、わざとらしい、幼稚な技巧がみえることか。
剣道の稽古では無心になって打ち切ることの大切さを学んでいるのだが絵にもそれが出てこないとな。