日本に戻ったらフランスの人々のように、年寄りもおしゃれをし、公園を歩き、カフェで憩い、ワインを味わい、教会でコンサートを楽しむような、そんな大人の楽しめるアトリエを持ちたいと考えていた。願いかなって、町田市内に絵画教室を開設。その名も、アトリエ「ラ・セーヌ38」。12年目を迎えているが、30余名の仲間たちと出会い、絵画三昧の生活を送っている。
過日、13回目の個展となる「80歳の今・大石正巳展」を小田急百貨店(町田市)で開催した。好きで始めた絵画だが、いつしか人生の仕事になっていた。多くの仲間たちと、こんなアトリエ生活をつくることができたことを、ラッキーだと感謝の毎日である。
若い人たちは仕事のほかに、もう一つの世界をつくってください。二つの世界はきっと己を磨き、豊かにし、助けてくれるでしょう。趣味を楽しむためには、10年以上はかかりますからね。
(元都立高校教諭。剣道7段)