若い現場労働者が過労自殺したとのニュースがあった。新国立競技場の現場監督、若干23歳の若さである。電通の高橋まつりさんの過労自殺が大きな話題になったばかりだというのに。超過労働はなんと200時間というのだから、労基法の8時間労働の約倍の労働時間である。現実にこんなはたらかせ方が行われているのである。
労働組合の執行部が、無制限、残業代なし、をすすめているという。連合の労働組合である。専門職のプロフェッショナルについてである。労働組合が労働者の生活と労働条件の改善を求めてはたらきかけなくてなんとする。連合はここまで労使が癒着し、慣れ合って、はたらく者からすべて搾取しまくるとはとても尋常なことではない。許されないことだ。
フランスにいる時こうも違うものかと驚いたことの体験の一つに、国際列車の切符を購入するために、窓口に並んで待っていたら、突然窓口のカーテンが閉められてしまったことがある。なんとその人のはたらく時間が終わったからだという。日本では考えられませんね。先の南仏旅行の時にも、バスの運転手は、きょうは午後働けないから(国の祝祭日で午後は労働禁止)と午後のスケジュールをキャンセル。添乗員が八方手を尽くしてもバスは動かなかったのである。労働者の働く権利や労働時間はそのくらい徹底して守られているのである。列にならで待っているお客さんたちも別に怒るわけでもなく、両手を左右に広げて”オー”と声を出すくらいで、平然とあたりまえみたいに許し合っているのである。
あーこの違い。人間としての幸福を求めて生きる権利、はたらく者の生活や健康を守る権利を、憲法や労基法に基づいて守られる社会になるようにしなくては、亡くなった方たちも浮かばれません
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