車に車いすを積んで墓参りに行った。車いすのたたみ方、セットの仕方、足のせ台の使
い方、ストッパーのかけ方など教わって出かけた。ちょっとした段差に危険を感じたり、
下り登りの勾配での怖さ、トイレの入り口の狭さや段差の不便さなど、普段まったく気に
ならないことがとても気になった。また他人の親切さにも気づかされた一日だった。
車いすに座って見る風景はどう見えるのだろう。車いすから眺める他の人びとの姿はど
う映るのだろう。以前骨折して入院していたとき部屋の中から外を歩く人々の姿がとても
不思議に思えたことがあった。どうしてあんなにうまく歩けるのだろうかと。歩けなくなって
はじめて気づく自然に歩ける凄さを。
歩行することが困難になって車いすに乗ってみる世界は特別な感傷が起きるのだろうな。
その時が来たらなにを思いなにを感じるのだろうか。