「フランスの作家ジャン・ジュネは彫刻家ジャコメッティについて、”芸術とは傷以外
からは生まれない”と書いています。障害があるからこそ見える深い世界、感じら
れる喜びの大きさ、そして宇宙の広がりがあり、それが見事に可視化されたものが
障碍者のアートと呼ばれる宝石のような表現なのです。」
これは「未来のアートの世界へ」のなかで中津川浩章氏が書いているものです。
先日アトリエではこの記事を読んで聞かせ大いにもりあがりました。”センセの絵
はまともだが、みなさんの絵は光っていますね。そんな感覚がうらやましいです”
とわたし。大笑いした中で絵はうまい絵がよくて下手な絵が悪い絵ではないこと、
きれいな絵やまともな絵がいい絵なのではなくそれぞれが感じたこと、自分の思
いを大切にして描くことを忘れてはいけないと確認しあいました。
「絵を描き表現していくと誰もが、忘れ去られていた自分自身の中にある怒りや
感情、寂しさややさしさなどさまざまな感情の声に出会います。それは生きている
人間すべての内に潜んでいる感覚で・・・・」と続いて書いています。考えさせられる
言葉でした。