郷里榛原はいまでは牧之原市に地名を変えたが実家から新茶が送られてきた。
地元では新茶でも一番摘みを一番茶、2番摘みの新茶を2番茶といっている。
親父には方々のお茶屋さんから薄いアルミの缶に入ったとれたてのお茶が持
ち込まれてきていた。ボージョレ―ヌーボーじゃないけど新茶の味がどんなだ
かは地元にとっては大の関心事でみんなで味わい始めるのです。茶好きの人
に賞味してもらうのです。きっといまごろは町中に甘い新茶の香りが漂ってい
ることでしょう。機械揉みしているガーラガーラという音も懐かしい。
ガキの頃は茶畑に行って茶の木の上に寝そべると柔らかいベットのような感じ
がしてよく眠ったな。戦時中には茶の木の下に這いつくばって茶の実を拾って
売りに行ったものです。一升ますで1円くらいだったかな。茶の実から油を搾っ
て飛行機を飛ばすのに使うのだと聞かされていた。
アトリエではこの1番茶を仕入れてあさとお昼に入れるのだがみなさん美味し
いといって喜んで飲んでくれるのがうれしい。1年間で200g入りを30袋が使
われている。なにはともあれ”まずは茶を一杯どうぞ~”があいさつ代りである。
茶も飲まずに帰るなんぞは失礼千万にあたるのです。静岡にお出での時には
遠慮なさらずお茶をいただきましょう。それが礼儀なんですよ。