さあ”オレの時間だぞ”と張り切って仕事部屋に入るのだがいつも案外とものに
ならない。
きょうは日曜日。読みたい本を3冊も持って、そのときの気分で選べるようにと
欲張って持っていくのである。アトリエに入るときにはまずは日課のデッサンを
始めにと思って準備をするのだが、まずはコーヒーからと豆を挽いてエスプレ
ッソ器にいれてIHにかける。沸騰するのを待ちながらその間に木刀で素振りを
入れて待つ。やおらコーヒーをすすりながらNHKのFMをONして。たて続けに
数枚のデッサンをするのだが。立ちっぱなしでやるから結構疲れる。
水彩画だから乾くまでの間、モチーフにしているお花の手入れをしたり、枯れ
た花をはさみできりとり水をやったり。(そういえば恐ろしいことを聞いたのだ。
イーゼル会のKちゃんに頂いたチュウリップが横向いて眠っていた状態だったの
でどこかできいた「お砂糖を入れると元気になるよ」を思い出し砂糖を入れようと
したら、アトリエにきているAさんが”洗剤を入れるといいらしい”というので中性洗
剤をいれてみた。驚いたねー数時間後には全チュウリップが”カキーン”と直立
不動に。)そしてまた描き出す。乾くのを待ちながら漱石を読み出す。それが飽き
ると剣道の雑誌を読み日ごろのけいこ不足を補おうとセコイ考えをする。昼飯の
おにぎりをほおばりながらまた描だすのである。
誰もいない日曜日のアトリエでたくさんのことをしようとするのだが結局いつも
少し描いて、少し本読んで、音楽聞いて、一杯のコーヒー飲んで一日が終わっ
てしまうのである。一日の時間なんであっという間に過ぎてしまうのである。
(枯れた白い薔薇)
(コストーナ・トスカーナ地方)