猫の額ほどのわが家の庭だが薔薇の苗が結構ある。冬の寒さですっかり葉を
落としているのだがすでに樹にはわか葉の芽が赤い色をして膨らんで来ている。
なんともいえない温もりを感じさせてくれる自然の営みである。とても愛おしい。
もう少したったらたっぷりと薔薇の好きな肥料をたっぷりとあげたいと思う。
好きな花は一番に薔薇だ。そしてひまわり、続いてミモザ、次にチュウリップ。今
年はチュウリップをなんとか物にしたいと思っている。幼少のころお花と言えば
必ずチュウリップを描いていたものだ。そしていつも一番上に飾られていたのを
いまでもうれしく思うのである。
おやじもお花が好きだった。なぜかおやじが育てた、それはあやめだったか蘭の
花だったか思い出せないのだがその花を抱えたおやじの写真が思い出される。
一番嫌っていたおやじだがいつしか自分がおやじと同じことをやっているようで
情けなくそしてなつかしく思う。できることならいま一度おやじと会って話をしてみ
たいと思うこの頃である。
(ベネチア・グランキャナル)