E君が怪我をしたという。屋外で仕事中落下したようだ。寒かったので手袋
をしたまま鉄棒に登っていて滑ったようです。どうしたはずみなのかわかり
ませんが前歯が1本中にめり込んでしまいました。多分落ちた瞬間”あ!!”
と思ったのでしょう。口が開いて下の鉄棒に前歯をぶっつけたのだと思います。
E君はめったに泣いたりしません。泣くことがとても恥かしいようで我慢するよ
うです。このときも泣かなかったそうですが完全に片方の前歯が歯茎の中ま
で入ってしまい少し白い歯が見える程度まで陥没しています。ほっといても
自然の力でもどってくるでしょうが親は心配でしょう。
わたしたちもいろいろ体験してきていますがどんなことがあっても生きていて
くれればいいと思って子育てをしてきたものです。病気でも事故でも目が見え
なくなっても、手足がなくなっても生きていてくれさえすればいいと思ってやっ
てきましたから。親として一番恐ろしいことは子どもの生命が失われることです
から。そんな恐ろしい体験をしてきた方たちもいます。アトリエの仲間の中にも
子どもの命を失ったとても辛い体験をされた方もいますが親としてこんなに
辛いことはないでしょう。
センセしてたころ親の期待を裏切ってというか親の期待に応えることのできない
つらさから挫折し自暴自棄になって荒れたり、登校拒否になった生徒たちも少
なからずいました。そんな時親の悲しみも計り知れないものがあります。偏差
値の高い学校に行けなくてもどんなに荒れていても親の期待を裏切っていても
生きていてくれることがおやにとってはこれ以上の幸せはないのではないかと
よく話し合ったものです。いのちの存在以上に大切なものはないと思うのです。
E君のお父さんお母さん、前歯の1本や2本無くなったってどうってことないです
よ。ネ。