Fさんのお宅に伺った。
わたしの数少ないパトロンのお一人である。玄関には新作の「ヴェニス・ローズ」
と「コラージュ・踊るひと」が。グランドピアノのあるリビングには、「パリ・2月」と
「セーヌ・シテ島」「地下鉄のミュージシャン」そして「カフェ」が掛けられたいる。
ダイニングにも人物の抽象、トイレの中には「ヴェニス・ブルー」と小品の「ばら」
がかけられていた。なんだかとても気恥ずかしいのだがFさん達がわたしの作
品をこころから愛し愉しんでいてくれているのがわかる。。お部屋の一番の場所
にどかっと飾られているから絵が生きて見えるのである。なんともいえない至福
を感じた。感謝である。
大根君と白菜君が見えた。彼らがこんなに大きく成長するものかと驚いた。
大根君は体重4キログラム、身長50センチ、胸囲35センチもあるのだ。白
妻くんの体重は6キログラム、身長36センチ、胸囲なんと75センチもあるのだ。
こんなにも大きくなった彼らを見ていると自分が段々小さくなっていくのが哀しい。
Kさんも交えての芸術談議がたのしかった。ハイレベルの会話が流れる。和服
の染色、扇模様絵付けの仕方から、茶の湯は利休の2畳の茶室を見たといK
さん、「利休をたずねよ」の会話が弾む。途中剣道談議になり、それではと庭に
出て2人の見物人を従えてのFさんと「日本剣道型」の稽古。足元はふらついき、
遠山の目付けは定まらずあげくのはて息は切れ、寒さに震えそうそうに部屋に
入り飲みなおす。マダムFの自家菜園で収穫した野菜料理が凄くおいしかった。
「賢い女はお料理上手」とは巧い言葉である。
愉しい一日であった。
(大根君と白菜君)
(グランキャナル・ゴンドラ)